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論文

Presence of $$varepsilon$$-martensite as an intermediate phase during the strain-induced transformation of SUS304 stainless steel

秦野 正治*; 久保田 佳基*; 菖蒲 敬久; 森 茂生*

Philosophical Magazine Letters, 96(6), p.220 - 227, 2016/06

 被引用回数:7 パーセンタイル:35.46(Materials Science, Multidisciplinary)

さびにくい鉄鋼材料として原子炉シュラウドをはじめ最も実用材料として使用されているステンレス鋼SUS304の加工誘起マルテンサイト変態における中間相として六方晶$$varepsilon$$相が出現することを明らかにした。SUS304に応力を加えると結晶構造が変わり、強度や延性が向上することが知られているが、機械的性質のさらなる向上のためには、この相変態のプロセスを解明することが大変重要である。本研究ではSPring-8の高輝度放射光を用いることにより、「室温において」今までないとされてきた中間相とその応力依存性を観測、さらに、ローレンツ透過電子顕微鏡観察により、結晶粒界面に生成した中間相を介して新しい相に変態する全く別のプロセスの存在を明らかにした。

論文

Synthesis of heterostructured SiC and C-SiC nanotubes by ion irradiation-induced changes in crystallinity

田口 富嗣; 山本 春也; 樹神 克明; 朝岡 秀人

Carbon, 95, p.279 - 285, 2015/12

 被引用回数:11 パーセンタイル:35.58(Chemistry, Physical)

340KeVのSi$$^{+}$$イオン照射により、多結晶SiCナノチューブからアモルファスSiCナノチューブの合成に初めて成功した。また、マスクを用いたイオン照射により、一本のナノチューブ内に多結晶領域とアモルファス領域が混在する多結晶/アモルファスヘテロ構造SiCナノチューブの合成にも成功した。内部にカーボン層を有するC-SiCナノチューブについても、イオン照射を行った。その結果、照射前では、カーボン層間はチューブの長さ方向に平行であったが、照射後、チューブの径方向に平行になることから、イオン照射によりカーボン層間方向が90$$^{circ}$$傾くことを明らかにした。

論文

Orientational ordering of iron silicide films on sputter etched Si substrate

五十嵐 慎一*; 勝俣 敏伸*; 原口 雅晴*; 齊藤 健*; 山口 憲司; 山本 博之; 北條 喜一

Vacuum, 74(3-4), p.619 - 624, 2004/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:27.83(Materials Science, Multidisciplinary)

イオンビームスパッタ蒸着法を用いて「環境に優しい」半導体であり、受発光素子などへの応用も期待される$$beta$$-FeSi$$_{2}$$薄膜作製を行った。従来までの著者らの検討により、イオン照射によるSi基板処理と照射後の加熱によって良好な$$beta$$-FeSi$$_{2}$$薄膜の得られることが明らかとなっている。本研究においては基板処理条件の最適化を目的とし、照射イオン(Ne$$^{+}$$)のエネルギーを1$$sim$$10keVまで変化させることにより、それぞれの条件において得られた基板を用いて成膜を行った際の薄膜の結晶性及びその配向性について透過型電子顕微鏡,X線回折により検討を行った。この結果から、3keVで照射を行った場合がそれ以上のエネルギーに比べて良好な膜質となることを明らかにした。これは3keV程度の照射によって生成する基板表面の欠陥生成量とその深さが成膜のためのFe-Siの相互拡散に最も適していたためと考えることができる。

報告書

「もんじゅ」型燃料集合体(MFA-1,2)被覆管の急速加熱破裂挙動評価

吉武 庸光; 大森 雄; 坂本 直樹; 遠藤 敏明*; 赤坂 尚昭; 前田 宏治

JNC TN9400 2000-095, 110 Pages, 2000/07

JNC-TN9400-2000-095.pdf:13.57MB

米国Fast Flux Test Facilities(FFTF)で照射された「もんじゅ」型燃料集合体MFA-1及びMFA-2に装荷されたPNC316及び15Cr-20Ni鋼被覆管の燃料ピンはこれまでで最高の高速中性子照射量を達成している。これらオーステナイト系ステンレス鋼を高速炉炉心材料とした場合、高速中性子照射に起因するスエリングによる形状変化(体積膨張)が使用上重要な評価項目であるが、機械的性質に及ぼす照射効果、特に重照射条件でのスエリングした材料の機械的性質の評価も重要なことである。そこで、重照射されたPNC316、15Cr-20Ni鋼被覆管のLOF時の過渡変化時における燃料健全性評価に資することを目的として、これらMFA-1、MFA-2の燃料被覆管について急速加熱バースト試験を行うとともに、その後の金相試験、TEM観察に基づき急速加熱破裂挙動を評価した。本試験・評価で得られた主な結果は以下の通りである。1)PNC316では、照射量2.13$$times$$10の27乗n/mの2乗(E$$>$$0.1MeV)までの範囲において、周応力100Mpa程度までの低応力条件では破裂温度はこれまでの照射材データと同様であり照射量の増大に伴う破裂温度の低下は見られなかった。2)15Cr-20Ni鋼では、照射量2.27$$times$$10の27乗n/mの2乗(E$$>$$0.1MeV)までの範囲において、周応力約200MPaまでの条件において、破裂温度は非照射材と同等であり、照射による破裂温度の低下は見られなかった。3)PNC316について、「もんじゅ」燃料使用末期条件である周応力69MPa(7kgf/mmの2乗)にて試験した結果、破裂温度は1055.6$$^{circ}C$$であった。ここで試験加熱速度は5$$^{circ}C$$/sであり、「もんじゅ」設計におけるLOF時の1次ピークで想定される被覆管温度上昇率よりも厳しい条件であることから、本照射量条件において「もんじゅ」燃料の許容設計限界の被覆管最高温度(肉厚中心)830$$^{circ}C$$の保守性を示した。4)今回試験したスエリング量数%の条件では、急速加熱バースト後の組織は照射後試験加熱前の組織と比較して顕著な違いは認められず、破裂機構に関してスエリング量、破裂温度及び組織(ボイドの結晶粒界への偏析、粗大化)間の相関は見られなかった。

報告書

CMIR-2照射Fe-15Cr-20Ni系モデル合金の照射後試験(1); 照射誘起偏析に及ぼすシンクの影響および溶質原子のサイズ効果

神田 北斗; 山県 一郎; 堂野前 貴子; 赤坂 尚昭

JNC TN9400 2000-046, 24 Pages, 2000/02

JNC-TN9400-2000-046.pdf:1.1MB

オーステナイトステンレス鋼では照射により、溶質原子が表面や結晶粒界等に偏析し、合金組成が局所的に変化する事が知られている。粒界偏析挙動を詳細に調べ、理解するために高速炉炉心材料として開発中であるPNC1520の基本合金系であるFe-15Cr-20Ni合金に、原子サイズの違いを考慮したSi,Moを各々添加したモデル合金について照射誘起偏析を検討した。高速実験炉「常陽」により476$$^{circ}C$$、3.5$$times$$10の26乗n/mの2乗(E$$>$$0.1MeV)の条件で照射された試料を、透過型電子顕微鏡(TEM)とエネルギー分散型X線分光分析装置(EDS)により微細組織の観察および溶質濃度を測定した。照射誘起結晶粒界偏析挙動は概ね溶質原子のサイズ効果に従っており、Feよりサイズの大きな(oversize)原子は結晶粒界で枯渇し、小さな(undersize)原子は濃化した。またボイド表面における偏析は結晶粒界とほぼ同等であり、析出物界面における偏析はこれらよりも大きい傾向を示した。また粒界によっては粒界近傍にボイドの存在しないボイド欠乏帯が存在していた。その生成理由の一つとして粒界移動現象によりボイドが掃き出されたことが考えられる。

論文

Implantation mode dependence of damage structure depth profiles in Al$$_{2}$$O$$_{3}$$ irradiated with triple beam of H, He and heavy ions

片野 吉男*; 有賀 武夫; 山本 春也; 中沢 哲也; 八巻 大樹

Proceedings of 2000 International Conference on Ion Implantation Technology (IIT 2000), p.805 - 808, 2000/00

核融合炉において電気絶縁体材料等として使用されるアルミナ($$alpha$$-Al$$_{2}$$O$$_{3}$$)の照射損傷を調べる目的で、H,HeイオンとNまたはOイオンをトリプルビームで同時照射し、損傷組織を深さ方向に透過電子顕微鏡で観察した。表面から1.4~1.5$$mu$$mの深さに停止イオンが分布するように、0.25MeVのHイオンと0.6MeVのHeイオンと、さらにこれらの深さを通過しながらはじき出し損傷を与える目的で、4.7MeVのNイオンをトリプルで照射(923K)した試料では、平均~3nmのキャピティが、1.45と1.55$$mu$$mの深さに帯状に観察された。同量のH,HeをOイオンとともに約1/2のdpa/sで注入した試料ではキャビティーの成長が抑えられた。H,Heのキャビティーの形成に及ぼす損傷速度の効果を定量的に把握するとともに、水素原子の動きに及ぼすHe原子の役割を示した。

論文

Formation of goethite and hematite from neodymium-contatining ferrihydrite suspensions

永野 哲志; 三田村 久吉; 中山 真一; 中嶋 悟*

Clays and Clay Minerals, 47(6), p.748 - 754, 1999/00

 被引用回数:16 パーセンタイル:44.62(Chemistry, Physical)

岩石中に風化生成物として生成する鉄鉱物による放射性核種の固定機構を調べるために、ネオジムと鉄との共沈・結晶化の実験を行った。ネオジムはアメリシウムなど3価のTRU元素と類似の化学的挙動をとるとされる元素である。非晶質の水酸化鉄中に安定に保持されたネオジムは、鉄鉱物の結晶化に伴い赤鉄鉱の結晶格子中に取り込まれることはあるものの、概して、非晶質相にとどまったまま鉄鉱物の結晶化を妨げる効果を持つことが示された。放射性廃棄物の地中処分においては、鉄鋼物は人工バリア材の腐食生成物としても生成されるため、本研究で得られた結果は処分場周辺で想定される腐食生成物と核種との相互作用を調べる研究にも役立つであろう。

論文

Microstructures of type 316 model alloys neutron-irradiated at 513 K to 1 dpa

三輪 幸夫; 塚田 隆; 辻 宏和; 中島 甫

Journal of Nuclear Materials, 271-272, p.316 - 320, 1999/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:40.64(Materials Science, Multidisciplinary)

照射誘起応力腐食割れ(IASCC)の発生機構を解明する目的で、IASCC感受性に影響を及ぼす照射誘起マイクロストラクチャーや照射誘起偏析のうち、照射誘起マイクロストラクチャーに及ぼす添加元素の効果を調べた。供試材はSUS316系の高純度合金と、それに炭素、チタン、シリコン、リン、硫黄を単独又は複合して添加した合金の溶体化処理材である。これらをJRR-3で、514Kにて約1dpaまで中性子照射した後、透過型電子顕微鏡でマイクロストラクチャーの観察を行った。その結果、Moの添加によりフランクループの数密度と平均直径が低下した。また、炭素の添加により、フランクループの数密度が増大し、平均直径が低下した。Siの添加は、Moの添加と同様にフランクループの数密度及び平均直径の低下を起こした。他の元素、チタン、リン、硫黄の影響は、C及びSiの影響に隠された。

報告書

抵抗溶接法の開発(2); ODS鋼を用いた溶接条件選定試験と接合部の観察

西山 元邦; 関 正之; 石橋 藤雄; 塚田 竜也*; 上村 勝一郎

PNC TN8410 96-037, 56 Pages, 1996/01

PNC-TN8410-96-037.pdf:35.56MB

抵抗溶接法は、TIG溶接法等にくらべ溶接時の入熱量が非常に少なく、母材に極力影響をあたえずに接合できるため、酸化物分散強化型鋼(以下「ODS鋼」と言う)の溶接手法として有望と考え、溶接装置を開発した。しかし、本溶接法を用いてODS鋼の基本特性把握試験を行った結果、高温(650度C)引張試験において、接合部からの破断となり、また、引張強さも母材より低下するといった現象が生じた。そこで、今回は、接合部の強度を低下させる要因を究明するために、溶接条件にパラメータを取り試験片を製作し、各種強度試験と破面の観察およびTEMを用いて接合部の観察を行った。本試験、観察から得られた主な知見は、以下の通りである。1.主に接触抵抗を利用した場合の溶接試験(1段溶接)(1)接合部の硬さは母材よりも150Hv程度軟化し、これまでの結果と比べ改善は認められなかった。また、180kg程度の低い加圧力の場合においては、溶接の再現性が得られなかった。2.主に体積抵抗を利用した場合の溶接試験(2段溶接)(1)溶接電流および溶接時間は、硬さの変化にあまり影響をあたえず、加圧力を600kgfと大きくすると、硬さ低下は50Hv程度と非常に小さくなることが分かった。(2)金相上良好な接合部の得られる条件は、予熱電流7KA2cycle、溶接電流13$$sim$$14KA0.6$$sim$$0.9cycle、加圧力180$$sim$$600kgfの範囲であった。(3)常温から650度Cの引張試験、650度Cの単軸クリープ試験では、加圧力の高い方が強度は強くなった。引張試験においては、加圧力の高い600kgfの場合は被覆管母材部からの破断となったが、単軸クリープ試験においては、どの条件の場合も接合部からの破断となってしまい、長時間側になるほど母材との強度差が大きくなった。(4)接合部のTEM観察においては、Y、Ti等の酸化物の粗大化が生じ、加圧力の増加に伴いその領域は狭くなった。分散材の粗大化が生じたのは接合部の温度が融点付近まで上昇したことが考えられる。なお、接合部の組織は、どの溶接条件においても再結晶組織になっていた。強度低下が生じるのは、接合部の粒界滑りおよび分散材の凝集、粗大化が原因であり、酸化物の凝集領域が狭いほど接合部の高温強度は強くなり、凝集領域の幅は接合部に加わる加圧力と相関のあることが分かった。(5)SEM観察による破断面の形状

報告書

HTTR原子炉圧力容器用21/4Cr-1Mo鋼の高温低サイクル疲労特性

西 宏

JAERI-Research 94-031, 14 Pages, 1994/11

JAERI-Research-94-031.pdf:0.92MB

21/4Cr-1Mo鋼の高温低サイクル疲労試験をひずみ波形の影響を明らかにするため、真空中723Kで行った。ひずみ波形は高速-高速の対称三角波(F-F波)および低速-高速の非対称三角波(S-F波)で、高速波のひずみ速度は0.1%/s、低速波は0.001%/sを用いた。さらに走査型および透過型電子顕微鏡により疲労波面と組織変化を観察した。S-F波の低サイクル疲労寿命はF-F波に比べ低下する。SEM観察の結果、F-F波の疲労波面は粒内破壊で、ストライエーション状の模様が見られた。しかしS-F波ではMnS介在物を起点としたディンプルが観察された。S-F波ではこのディンプル形成によりき裂進展が加速されたと考えられる。疲労中の材料は軟化し、応力振幅は繰返しとともに低下した。TEM観察の結果、疲労により転位のセルサイズと炭化物の析出は増加し、これが疲労軟化の原因である。

報告書

金属組織観察用試料調整方法マニュアル

上野 文義; 小林 十思美; 伊藤 卓志; 長谷部 慎一; 菅谷 全*; 大久保 和行*; 鴨川 浩一*

PNC TN9520 92-002, 54 Pages, 1992/03

PNC-TN9520-92-002.pdf:5.13MB

本報告書は、金属組織学的解析技術の維持・向上を目的として、材料開発室材料物性解析グループにおいて、これまで蓄積してきた金属組織観察用の試料調整技術をマニュアルとしてまとめたものである。このマニュアルでは、対象材料として、代表的鋼種であるSUS304鋼、SUS316鋼及びMOD、9CR-MO鋼を選んだ。調製方法としては、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)での観察に用いるための樹脂埋め・研磨・エッチング方法、および透過型電子顕微鏡(TEM)での観察に用いるためのレプリカ及び薄膜試料の調製方法、について記載した。また、当グループにて実際行った試料調製の条件の例や、それによって得られた組織写真の例を記載した。これらの方法は、金属組織学的解析の分野では一般的に用いられているものがほとんどであるが、当グループにおいて新たに考案した調製方法も含まれている。このマニュアルが、今後の新しい材料や新しい材料評価技術の開発の対応するための基礎となることを望む。

口頭

蛍石構造酸化物中のイオントラックの原子構造; CeO$$_{2}$$とZrO$$_{2}$$の比較

高木 聖也

no journal, , 

蛍石構造酸化物は次世代原子力燃料や核変換処理の母相候補材料として研究されており、放射線照射に伴う微細組織変化の形成メカニズムを明らかにすることは重要な課題である。特に70-100MeVのエネルギーを有する核分裂片は材料中に高密度の電子励起損傷を誘起する。この結果、イオン秘跡に沿ってイオントラックと呼ばれる柱状の照射欠陥が形成することが報告されている。本研究では核分裂片を模擬した高速重イオン照射によりCeO$$_{2}$$や立方晶ZrO$$_{2}$$ (YSZ)中に形成されるイオントラック構造を透過型電子顕微鏡観察から明らかにし、その比較を行った。CeO$$_{2}$$中に形成されるイオントラックはその中心領域で空孔密度が増加しており、酸素イオン配列の優先的な不規則化が生じていることがわかった。一方、同様の条件でYSZ中に形成されるイオントラックは、CeO$$_{2}$$中のものと比較すると、そのサイズは小さく、イオントラック面密度も非常に小さいということがわかった。これらの違いは、溶融した領域が回復する過程で、YSZ中に存在するOイオン構造空孔が影響していると考えられる。

口頭

蛍石構造酸化物の高密度電子励起損傷

高木 聖也; 安田 和弘*; 松村 晶*; 石川 法人

no journal, , 

次世代燃料や核変換処理母相材料は、高速中性子、電子、$$alpha$$線、核分裂片等の種々の放射線照射環境下で使用され、照射欠陥の形成や微細組織発達はこれらの放射線の重畳照射効果として現れる。イオン・共有結合材料中の点欠陥挙動は、電子励起により影響を受けることが知られている。特に核分裂片による高密度電子励起損傷はイオントラックと呼ばれる柱状欠陥を比熱的に形成し、燃材料の微細組織発達に大きく影響を与える。本講演では核分裂片を模擬した高速重イオン照射によりCeO$$_{2}$$や立方晶ZrO$$_{2}$$ (YSZ)中に形成されるイオントラック構造を種々の電子顕微鏡法を用いて観察した結果を報告する。蛍石構造酸化物中に形成されるイオントラックはその中心領域で空孔密度が増加しており、酸素イオン配列の優先的な不規則化が生じていることがわかった。また、高照射量まで照射したCeO$$_{2}$$中には高密度の転位組織が発達することがわかった。これは、高密度の空孔を含むイオントラックが照射量の増大に伴い、重畳を繰り返す間、格子間原子の蓄積が生じ、転位組織が発達したためと考えられる。一方、立方晶ZrO$$_{2}$$ (YSZ)中に形成されるイオントラックはCeO$$_{2}$$中のものと比較してそのサイズは小さく、原子密度の低下を示さない照射欠陥が形成されていることがわかった。これは、YSZ中の構造空孔がイオントラック形成時の回復に影響を与えた結果だと考えられる。

口頭

東京電力福島第一発電所事故におけるセシウムの化学的挙動に関する検討,6; 不溶性Cs粒子の微細構造の検討

大石 佑治*; 中森 文博*; 牟田 浩明*; 黒崎 健*; 山中 伸介*; 坂田 孝夫*; 佐藤 和久*; 保田 英洋*; 逢坂 正彦

no journal, , 

不溶性Cs粒子の組成を模擬した試料を溶融後に冷却し、フランクリナイト(ZnFe$$_{2}$$O$$_{4}$$)の核形成-析出挙動と冷却条件との関係を調べた。また、スピノーダル分解によるフランクリナイト生成の可能性について検討した。

口頭

約240dpaまで照射した高速炉被覆管用ODS鋼のナノ粒子安定性

岡 弘; 丹野 敬嗣; 矢野 康英; 舘 義昭; 大塚 智史; 皆藤 威二

no journal, , 

原子力機構で開発を進める9Cr-ODS鋼について、短期間で高い照射量を実現可能なイオン照射試験を用いて、高速炉燃料被覆管の実機条件に近い700$$^{circ}$$C、約240dpaまで照射した。その後、9Cr-ODS鋼の優れた高温強度の主要因子であるナノサイズ分散粒子について、微細組織観察によりその分散状態を評価した。その結果、約240dpaにおいても、5nmほどのナノ粒子が高密度に均一に分散している様子が観察された。また、照射によるボイド形成は観察されなかった。以上から、700$$^{circ}$$Cでの実用レベルの高照射量環境下において、9Cr-ODS鋼のナノ粒子は安定に存在することがわかった。

口頭

9Cr-ODS鋼の量産技術開発; ODS鋼量産用大型アトライター(PATTRIODS)の開発とODS鋼試作試験

岡 弘; 丹野 敬嗣; 矢野 康英; 大塚 智史; 皆藤 威二; 舘 義昭

no journal, , 

ODS鋼被覆管の量産技術開発の一環として、量産用メカニカルアロイング装置である大型アトライターPATTRIODSを開発した。PATTRIODSの粉末処理量は従来の3倍の30kgとし、メカニカルアロイング中の酸素量を制御するため、粉砕タンク及び粉末回収容器まで真空-Arガス置換が可能な機構とした。PATTRIODSを使用してODS鋼の試作試験を実施した結果、既存小型アトライターと同レベルの酸素量制御性を有することがわかった。

口頭

福島第一廃炉汚染水処理で発生する廃棄物の先行的処理に係る研究開発,23; 鉄共沈スラリーとアルカリ活性材料の相互作用

Raudhatul Islam, C.*; 小林 佑太朗*; 芳賀 和子*; 金田 由久*; 角田 あやか; 大杉 武史; 曽根 智之; 黒木 亮一郎; 佐藤 努*

no journal, , 

For long-term safety storage and disposal of iron slurry embedded to alkali activated material (AAM), alteration of iron slurry (IS) and its interaction with AAM are definitely important. In this context, the interfaces between IS and AAM before and after leaching test were investigated by electron microscopy. As results, there is no the interaction during duration time in this study.

口頭

透過型電子顕微鏡を用いた原子炉圧力容器溶接熱影響部の照射欠陥分析

下平 昌樹; 河 侑成; 高見澤 悠; 瀬戸 仁史*; 勝山 仁哉

no journal, , 

原子炉圧力容器(RPV)の中性子照射脆化に関して、国内脆化予測法は、シャルピー衝撃試験で取得された延性脆性遷移温度移行量や微細組織分析結果に基づいて策定されている。RPVにはステンレスオーバーレイクラッド(クラッド)溶接や継手溶接施工に伴う入熱により母材と異なる金属組織を有する溶接熱影響部(HAZ)が形成されることが知られているが、HAZに対しても母材部と同じ脆化予測法を適用することとしている。本研究では、国内脆化予測法をHAZに適用することの妥当性を確認するため、照射脆化メカニズムの相違の有無を調べることを目的とし、LVR-15で9.8$$times$$10$$^{19}$$ n/cm$$^{2}$$まで中性子照射されたRPV鋼の母材部及びHAZの微細組織分析を透過型電子顕微鏡(TEM)観察により実施した。TEMにより観察された転位ループや銅を中心とした溶質原子クラスタの数密度は、母材部及びHAZで顕著な違いが見られなかった。また、転位線と溶質原子クラスタの分布を比較した結果、転位線に沿って溶質原子クラスタが形成されている様子が観察された。

口頭

In situ transmission electron microscopy observation of melted germanium sandwiched by multilayer graphenes

鈴木 誠也; 根本 善弘*; 椎木 菜摘*; 中山 佳子*; 竹口 雅樹*

no journal, , 

Germanene is a two-dimensional (2D) germanium (Ge) analogous of graphene, and its unique topological properties are expected to be a material for next-generation electronics. Germanene has already been grown on various metal surfaces by molecular beam epitaxy and segregation methods, but transferring it onto insulator surface to fabricate electronic devices is difficult in contrast to graphene. One potential solution is to grow germanene directly on the interface of the insulator. Based on this concept, we have grown germanene at the hexagonal boron nitride (hBN)/Ag(111) interface and demonstrated that germane at the interface is stable. Since hBN is an insulator, direct growth of germanene between hBN provides a promising channel for germanene devices. In this work, we studied the crystallization of Ge between graphene layers at high temperatures using in situ transmission electron microscopy (TEM). Graphene was used as an alternative material for hBN. The Ge sandwiched by 4 layer graphenes was prepared onto an in situ TEM holder using chemical vapor deposited graphene, vacuum deposition of Ge, and wet transfer of graphene. The Raman spectrum of the sample indicated less defective graphene is present after the sample preparation. In situ TEM observation at 1025 degree Celsius revealed that round-shaped Ge moves, deforms, and coalesces at the temperature above the melting point of Ge. The observed motion of Ge indicates that the Ge was in liquid phase and its evaporation was suppressed by graphene layers. Although more novel ideas are needed to achieve 2D crystal growth of Ge at the interface, the present results may provide clues for the future direct growth of germane between hBN layers.

口頭

鉄系ハイエントロピー合金の特性評価

若井 栄一; 柴山 環樹*; 能登 裕之*; 涌井 隆

no journal, , 

本研究では、高エネルギー加速器標的系機器、原子炉や核融合炉等の新機能材料への適用を目指し、低放射化性の元素(NiとCoを含まない)からなる鉄基ハイエントロピー合金(Fe-Mn-V-Cr-Al-C)を高周波溶解法によって試作を行い、その基本特性を評価した。本材料をXRDで解析結果、BCCの結晶構造を持ち、その中にバナジウムカーバイド(VC)が析出していることが分かった。また、本材料は、磁性を持つだけでなく、かなり小さい磁区構造を有していることが分かった。結晶粒のサイズは、均質化熱処理を1150$$^{circ}$$Cで施したにもかかわらず、比較的に微小な結晶粒(約20-50$$mu$$m)が観察された。強度特性に関しては、ビッカース硬さ測定の結果から、通常の鉄合金に比べて遥かに硬く、純タングステンをやや超える硬さであり、弾性波の速度計測では鉄系材料よりも速く、ステンレス鋼よりも高い弾性率を持つことが示された。

口頭

高速重イオン照射した薄膜状セラミックスにおける特殊なナノ構造

石川 法人; 田口 富嗣*; 小河 浩晃

no journal, , 

100MeV以上の高速重イオンビームをセラミックスに照射すると、イオンの通り道に沿ってイオントラック損傷が形成される。限られた材料において、コア・シェル構造と呼ばれる特殊な2重構造のイオントラックが形成されることが分かっている。コア・シェル構造のイオントラックが、限られた材料のみに形成される特殊なナノ構造なのか、それとも広範な材料で実は形成されているのか?という命題は、イオントラックの形成メカニズムと関係する重要な問いである。本研究では、透過型電子顕微鏡を利用して、高速重イオン照射した薄膜状の結晶性のSiO$$_{2}$$において、コア・シェル構造の存在を示唆するナノ構造を観察することに成功した。また、非晶質のSiO$$_{2}$$ (a-SiO$$_{2}$$)においても、(密度が高いシェル部分は判別できないものの)密度が低いコアの存在を示唆する似たナノ構造を観察することができた。小角X線散乱法だけでなく、透過型電子顕微鏡もコア・シェル構造をもつ材料を探索する際に有力なツールとなり得ることを示した。

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